人事や人材育成に携わるご担当者様は、離職率、メンタルヘルス疾患率を低減させ、社員にやりがいや働き甲斐をもってイキイキと働いてほしい、そのために、
・心理的安全性のある職場風土はどのようにつくるのだろうか
・一体感のある組織にするにはどうしたらよいだろうか
・風通しのよい組織にするにはどうしたらよいだろうか
・社員一人ひとりが考え動ける組織にするにはどうしたらよいだろうか
・社員が自発的に学習する組織風土をつくるにはどうしたらよいだろうか
という問題意識のもと、取り組まれているのではないでしょうか。
そこで本コラムでは、理念や方針を、社員一人ひとりのやりがいや働き甲斐につなげ、お客様はもちろんのこと、地域や業界に対して高い貢献をされている企業の具体的な取り組みを、書籍などをもとにご紹介しております。
今回は、お客様と社員により復活した会社のお話をご紹介します。
「横浜みやげのおススメは?」
と聞かれたら、その筆頭にあげたいのは「ありあけのハーバー」です。
横浜は観光都市であることから、おススメできる商品が数えきれないほどあります。
ではなぜ「ありあけのハーバー?」と思われることでしょう。
その理由をシンプルにお伝えすると、社員一人ひとりがチャレンジしている空気と、お客様に喜んでもらいたいというホスピタリティが感じられるからです。
このような風土が醸成されている背景には、組織が一度倒産していることに起因しているようです。
History
ありあけの前身となる有明製菓の創業は1936年。元々は地域の小さな和菓子店で、時流に合わせ洋菓子も手がけるようになったようです。そして創業から18年経った1954年、のちに「ハーバー」の名前で親しまれるようになる栗を使ったお菓子「ロマン」を発売したところ、お土産や贈答品としてヒット商品になったそうです。
そして、創業から55年の1992年1月期の売上は55億円超。
今振り返ると、バブル経済が崩壊するタイミングです。そのときに、本業とは異なるビル建設への投資などを行ったことが足かせとなり、1999年には負債総額70億円。自己破産します。
しかしその後、「ハーバーをもう一度食べたい」と、地元市民と元有明製菓の従業員が「ハーバー復活実行委員会」を発足。復活に向けて動き始めます。
復活にあたり、商標権を買い取り、経営を担うことになったのが、株式会社プレシアホールディングス 会長 藤木久三さん(2014年当時。現在は退任し、株式会社ありあけ 代表取締役会長)です。藤木さんは、ご自身の波乱万丈の人生と、ありあけの経営を担うようになった経緯を『負けない生き方 七転・八転 波乱の人生』につづられています。
その中で、ハーバーが復活するには、元社員の力が大きかったことをあげています。
おいしいお菓子は機械や原材料、製造マニュアルなどがそろえばできる、という単純なものではありません。
消費者に評価され、ロングセラーとなるお菓子は、それらにパティシエ(菓子職人)の熟練の技、企画や営業担当者の情熱が隠し味として加わった、まさに“総合芸術”であることが求められます。
そこで、並行して、自己破産した有明製菓からも人材を募集。同社の創業者の片腕としてハーバーの開発に携わったパティシエにも、力を貸してもらうことができました。
ハマっ子に半世紀近く親しまれたハーバーなので、「ボランティアで協力してもいい」という元従業員もいました。
これらの人々にも加わってもらい、「ハーバー復活実行委員会」を2000年に組織し、大車輪で製造・販売の準備を始めました。
この時、私には“秘めた計画”がありました。それは、生まれ変わったハーバーを「倒産前よりおいしくなった」と、褒めてもらうことでした。
かつて、ハーバーの上級品として、あんの中のクリの含有量が多い「ロイヤルハーバー」が製造されていましたが、これをしのぐ製品をハーバーと同価格で販売することを目標に掲げました。
パティシエに試作してもらい、私自身が試食して“ダメ出し”をする作業を何ヶ月も続けました。
クリあんや、それを包むカステラ生地の「しっとり感」が、なかなか望み通りにできません。ようやくゴーサインが出せたのは、発売の直前でした。
相次ぐ難問を苦しみながらも解決し、ハーバー復活を成し遂げた社員たちの情熱と行動力には、頭が下がりました。そして、この経験がプレシアグループの大きな財産になったと、今でも感じています。
発売後、お年寄りのハーバー・ファンからは「昔の味や食感と違う」という感想も聞かれました。
だが、老舗の味やロングセラーの商品も、本当は消費者ニーズに合わせて少しずつ変化(進化)しているのです。
生まれ変わったハーバーは、13年が経過した現在、しっとり感が“定着”し、さらなるおいしさを追求して品質向上や多品種化にまい進しています。”
コンセプトの体現
ありあけの経営コンセプトは「菓子製造業から感動創造業へ」。
実際に本店 ハーバーズムーンに行ってみると、そのことが体感できます。
本店はいつうかがっても季節感とワクワク感ある店づくりがされています。
お客様は地元の人が多いためか、ひっきりなしに来店されますが、スタッフの皆さんはいつも明るいムードで丁寧な接客をされます。
横浜みやげにとことんこだわり、「横浜DeNAベイスターズハーバー」、「横浜観覧車 焦がしキャラメルバウム」、「横浜馬車道 ガス灯ビスキュイ」など、横浜にちなんだネーミングの商品が多数展開されています。「ハーバー」以外の商品もとても充実しているので、選ぶ楽しさも味わえます。
また、横浜でポケットモンスターのイベントが行われる期間は、コラボレートパッケージが登場したり、さらに今年は、メルカリがローカル商品を全国にプロモーションする企画「インディーズ土産 全国デビューの道」(2021年7月29日~8月11日実施 メルカリユーザーによる総投票数32万270票)に参加されたようで、その結果はなんと!
1位 鳥取 いなばの白うさぎ(61020票)、2位 石川 白えびビーバー(45355票)
に続く、3位 神奈川 横濱ハーバー(35245票)、見事上位ランクイン!
まさに、一人ひとりが自社の製品を愛し、それぞれの立場でできる努力をされているのではないか、と感じられる取り組みをされています。
横浜に行く機会には、ハーバーズムーンでその様子を体感してみてはいかがでしょうか。
(ハーバーズムーンでお買い物をすると、希望される方には、メッセージシール(感謝、お礼など)のサービスなどもあるので、スタッフの方にきいてみてくださいね)
(参考情報)
ハーバーズヒストリー
ありあけ本店 ハーバーズムーン
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